『コタン』の各バーション及び、その他の遺稿集について


※書名・作品名「コタン」について

 単に「コタン」といった場合、同人誌『コタン』なのか、「序文」の「コタン」なのか、『違星北斗遺稿 コタン』なのか区別がつきませんので、以下のように省略し、区別することとします。

『コタン』 『違星北斗遺稿 コタン』。違星北斗の遺稿を 希望社の後藤静香が出版したもの。および、それを改版したもの。
同人誌『コタン』 北斗が1927(昭和2)年に、中里凸天ともに作った謄写版同人誌『コタン』創刊号
序文「コタン」 知里幸恵『アイヌ神謡集』の「序文」。(北斗が同人誌『コタン』に収録する際、新たに「コタン」という題名を加えている)。

※序文「コタン」は同人誌『コタン』に収録され、さらにその同人誌『コタン』は遺稿『コタン』に収録されています。


 
※『違星北斗遺稿 コタン』の各バージョンについて

 上の『コタン』について、さらに版の違いによって下のように分けて表記することとします。

初版『コタン』 『違星北斗遺稿 コタン』(1930年・希望社出版部)
72年版『コタン』 『近代民衆の記録5 アイヌ』谷川健一編(新人物往来社)所収の「コタン」。
80年版『コタン』 『北海道文学全集第11巻 アイヌ民族の魂』(立風書房)所収の「コタン」。(同人誌『コタン』を含まず)
84年版『コタン』 『違星北斗遺稿 コタン』(1984年・草風館)。新たに見つかった遺稿を「落穂帖」として追加。
95年版『コタン』 『違星北斗遺稿 コタン』増補版(1995年・草風館)。84年版『コタン』に新たに見つかった遺稿を「落穂帖」(その2)として追加。

※単に「初版」「XX年版」と略す場合があります。

※草風館の84年版、95年版については、別冊附録『くさのかぜ』も含めるものとします。



※その他の遺稿について

 上に挙げた『コタン』各バージョン以外にも、次のような遺稿集、もしくはそれに近いものがありますが、これらは抄録だったり、不完全だったりしますので、『コタン』としては扱わないものとします。また、これらは略称は用いません。

『違星北斗遺稿集』
(1954年・違星北斗の会)
『志づく』違星北斗特集号をもとに80首で構成した12頁の小冊子。
『アイヌの歌人』湯本喜作
(1963年・洋々社)
違星北斗、バチラー八重子、森竹竹市、いわゆる「アイヌ三大歌人」の研究。短歌、日記等の引用がある。
『ヤポネシア弧は物語る・島々は花綵(はなづな)』
(1990年・社会評論社)
アイヌ文化および沖縄文化に関するアンソロジー。初版『コタン』より抄録。