コタン吟(一) 故違星北斗
利用されるアイヌもあり 利用する
シャモもあるなり 共に憐れむ
実を結ぶ為めに 散り行く 花ならば
なにを惜しまん なにか悼まん
卑屈にも慣らされて居ると 哀れなる
あきらめに似た楽を持つ人々
コタン吟(二)
酒故か無智故かは 知らねども
見世物のアイヌ 連れて行かるゝ
たち悪くなれとの事が 今の世に
活きよと云ふ事に似て居る
仕方なく諦めると云ふ心
これがアイヌを亡ぼした心
正直なアイヌだましたシャモをこそ
憫な者と 思ひしるなり