バチラー八重子の短歌 『若きウタリに』より



端然と ちからづよくぞ 語られし

君今はゐず ゐろり空しも


逝きし中里徳太郎氏



墓に来て 友になにをか 語りなむ

言の葉もなき 秋の夕暮れ


逝きし違星北斗氏



ただ一人 父のかたみと 残されし

君また逝きぬ うら若くして


逝きし中里篤治氏



バチラー八重子『若きウタリに』(岩波現代文庫)より