東京    キーワード歌集


『医文学』大正15年9月1日号

東京から手紙が来るとあの頃が思出すなりなつかしさよ。


『自働道話』大正15年12月号

干瓢を贈ってくれた東京の

友に文かく雨のつれゞゝ


「日記」昭和3年6月9日

東京を退いたのは何の為

薬飲みつゝ理想をみかへる


『コタン』「私の短歌」昭和5年5月

砂糖湯を呑んで不図思ふ東京の 美好野のあの汁粉と栗餅

甘党の私は今はたまに食ふ お菓子につけて思ふ東京

支那蕎麦の立食をした東京の 去年の今頃楽しかったね

上京しようと一生懸命コクワ取る 売ったお金がどうも溜まらぬ

東京の話で今日も暮れにけり 春浅くして鰊待つ間を