●昭和3年(?)1月
バチラー八重子→違星北斗 封書
「新年お目出度御座います。
つひ分御無沙汰いたして居ました。
御変もありませんか。私はお正月休に参って居ます。札幌の養家に一度上がり度ような気持で居ますが上がってもしご迷惑をおかけ申ますようなればいけませんと存じて居ます それに御伺申*ことも御座いますの 中里様では何の変ったこともありませんでしたでしょうか
御息子様の御病気は其後如何でございましたでそう御伺ひ申つもりで居ました 今まで思つゝも何ふしていいのかわからず つひこんなにのびて終ひましたのです
おそれ入りますがくはしく一寸御知らせをお願ひ申上げます 年は新っても私独りは少しも新しくなりません だん/\古びてゆくことを感じます
では御便りをたのしみ待って居ます どうぞごめいわくでもよろしく御願ひ申ます
一月四日 バチラー 八重
違星様」