「手紙の中から」 奈良直弥

自働道話大正十四年二月 一三〇号


△奈良直弥様より

松提げて丸髷走る年の暮れ…これは実景のつもりでありますが御訂正を願ひます誠に賑ふのでよいと云ふでせうかせゝこましくて厭だといってよいでせうかそは兎に角として御用多の場合にも関せず御手紙やら雑誌やらを御遣し下され御芳清感謝に堪えません明日は違星生来宅の事になってゐますが御手紙の趣を申聞かせたならどれ程喜ぶか知れません前夜も来て一月総会の事などを打合して行きましたどうぞ茶話誌に対しては今後とも後援をたまはる様老生よりも御願ひして置きます第3号を引続き一月中に出したいなどゝ話をしてゐます。余は春永に(北海道)


※95年版『コタン』「くさのかぜ」より