交通 キーワード歌集


『小樽新聞』昭和3年2月27日

夕陽がまばゆくそめた石狩の雪の平野をひた走る汽車


『志づく』昭和3年4月号

汽車は今コザハトンネルくぐったふとこの山の昔しを偲ぶ

鉄道がシモケホまで通ったので汽車を始めて見る人もある

不器容とは俺でございと云ふやうな音やかましい発動機舟

凸凹のコタンの道の砂利原を言葉そのまゝのがた馬車通る


『小樽新聞』昭和3年4月11日

とん/\と不純な音で悠久な海を汚して発動機船ゆく

不器用とは俺でございといふやうな音たててゆく発動機船