家族 キーワード歌集


「父」違星甚作


『志づく』昭和3年4月号

正直で良い父上を世間では馬鹿正直だとわらってやがる


『コタン』「私の短歌」昭和5年5月

力ある兄の言葉に励まされ 涙に脆い父と別るる

若しも今病気で死んで了ったら 私はいゝが父に気の毒

「母」違星ハル


『小樽新聞』昭和3年8月29日

カッコウとまねればそれをやめさせた亡き母恋しい閑古鳥なく


『志づく』昭和3年4月号

正直が一番ン偉いと教へた母がなくなって十五年になる


『コタン』「私の短歌」昭和5年5月

洋服の姿になるも悲しけれ あの世の母に見せられもせで

「親おもふ心にまさる親心」と カッコウ聞いて母は云ってた


「兄」違星梅太郎


『コタン』「私の短歌」昭和5年5月

力ある兄の言葉に励まされ 涙に脆い父と別るる


『コタン』「日記」昭和2年8月28日

叔父さんが帰って来たと喜べる

子供等の中にて土産解くわれ