アイヌ新聞第壱号

一九四六年六月一一日発行 発行アイヌ新聞社 高橋真


 各コタンから

△ 帯広市伏古コタン(部落)では来る二十日頃アイヌ協会の支部発足式を行ふ。広野守氏支部長就任と内定。

△ 釧路市春採のアイヌ協会支部では山本多助市指導の下製塩事業其の他を計画中で多大の期待となつてゐる。

△ 旭川氏近文では荒井源次郎、川村兼登両代表中心となつて、給与地の確保の為に敢斗中である。

△ 日高浦河のアイヌ協会支部では、代議員小川長吉氏の努力で軍放出衣料の入手に努め、要路に訴へた。

△余市町ウタリーは関房吉氏、違星松太郎氏指導の下にリンゴ園の手入に敢斗中だが、早くも出来秋が期待される。

△胆振鵡川のウタリー達は今年こそ米の増産を計らうと、肥料難其の他の苦労を克服すべく水田耕作に精出してゐる。


※『近代民衆の記録5アイヌ』より