旧フゴッペ壁画(西田彰三作図)


 この壁画は、現在フゴッペ洞窟として広く知られるものとは、違うものです。

 昭和2年に蘭島線の保線工夫によって発見されたもので、のちに見つかるフゴッペ洞窟より13メートル離れた、線路沿いの岩壁に発見されたものです。当時、これはアイヌのものであるという説(西田彰三)、アイヌではない先住民のものであるという説、偽物であるという説(北斗)などが出ましたが、結論はでないままに保存状態が悪かったので、いつのまにか風化してしまったということです。

 その後、昭和25年現在の洞窟が発見され、この旧遺跡の存在は、その存在さえも忘れ去られてしまっています。


※参考・図:『謎の刻画 フゴッペ洞窟』掛川源一郎